
[組織論]
「真のCX」が企業を《カフカ的官僚制の迷宮》から救い出す
児玉 尚剛
経営共創基盤(IGPI)マネージングディレクター
IGPIグループ 共同経営者
カフカの『城』が描いた制度の「迷宮」は、いまも日本企業の現実を映している。稟議の遅延や責任の曖昧さ、変化を拒む組織慣性──こうした“カフカ的官僚制”は、AI時代のスピードに対応できない。欧米企業は、組織設計・IT統合・プロセス思考を三位一体で改革し、官僚制の罠を脱してきたが、日本では「調和」や「合意形成」の文化が変革を阻んでいる。
いま必要なのは、顧客体験を軸に制度・文化・人の行動様式を再設計する「CX(コーポレートトランスフォーメーション)」である。 AIを効率化の道具ではなく、新しい組織設計の前提条件としてとらえ、経営陣と取締役会の双方が「真のCX」を企業経営の核に据えたとき、はじめて日本企業は制度的迷宮を抜け出せる。
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