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ベンチャー投資プロジェクト
~世の中を変える技術を見つけ、産業化まで丁寧に育てていく~

小島 隆史
プリンシパル
慶應義塾大学法学部卒、
ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院卒、
ペンシルヴァニア大学ウォートン・スクールMBA
安東 亨
2015年新卒入社
シニアアソシエイト
慶應義塾大学経済学部卒

新しい技術の産業化と、研究機関の自立のために。

大学をはじめとする研究機関によって、日々生まれ続ける新しい科学技術。遠い未来の成果を目指すような基礎研究もあれば、今の世の中で起きている課題の解決を目指す、より現実的な研究もある。いずれにしても、研究を続けるためには欠かせないのが、資金だ。多くの研究機関が補助金に依存している現状がある中、いかに市場のニーズと研究室の成果を結びつけ、産業化するか。さらに、それによって得られる成果を研究資金に回すことで、研究者が自由に長期的な研究へ没頭できるエコシステムを構築することができるか。そんなミッションのもとで動いているのが、IGPIの『IINE(Industrial Innovation through Next Entrepreneurs)』というプロジェクト。メンバーの1人である小島はIINEについてこう語る。

「大学の先生の中には、もちろん産業化を想定して研究されている方もいらっしゃいます。ただ、産業化が実現できるかどうかの鍵は、その技術で解決しようとしている課題が社会のボトルネックになっているかどうか。例えば、電気自動車を普及する上でボトルネックになっている“バッテリー”という課題を解決できる技術であれば、高い確率で産業化を見込むことができるのです。また、新しい科学技術の産業化を目指すベンチャー企業についてまわるもうひとつの問題は、経営。技術は優れていても、経営力がないが故に失敗してしまうベンチャー企業は多い。IINEでは、資金、人材、知見を提供し、経営をトータルで担っているのです。」


入社1年目から、経営者の力になる。

では、世の中に数多ある科学技術の中、IINEが投資先としてベンチャー企業を選ぶ基準はどこにあるのか。そのポリシーは、“トップサイエンスで社会にイノベーションを起こせる”かどうかであると、小島は言う。

「たしかに、トップサイエンスでなくても社会に役立てる技術はありますが、それではすぐに真似されてしまうでしょう。唯一無二の技術で社会を変えることに、圧倒的な価値があると考えています。」

そんなIINEが8年前から投資しているベンチャー企業がある。安東は昨年、新卒でIGPIに入社してまだ8か月というタイミングで、その企業の経営支援のために派遣された。

「そのベンチャー企業が持っている技術は、画像処理の技術。物と物がインターネットで繋がる『IoT』が社会的なテーマとなる中、増大するデータをどう処理するかが課題となっています。本技術は、データの中でも特に処理が難しいビジョンデータに関して、画像処理の方法を工夫することで、従来技術では処理が困難であった高速フレームレートの動画でも少ない負荷で処理することを可能にする技術です。このベンチャー企業に対し、技術の応用先といった事業戦略面はもちろんのこと、財務面、法務面、労務面等を含めた幅広い領域で経営支援をしています。」


事業と財務、両面の課題と向き合う。

IGPIでのキャリアはもちろん、社会人としての経験が1年にも満たないうちから、企業の経営に携わる。安東にとって最初のハードルとなったのが、投資先企業の社長との信頼関係構築だった。

「社長の悩みに対して、いかに早く的確に答えられるかに注力していました。ベンチャーは特に、財務や法務に詳しい人が社内にいるわけではありません。小島をはじめとするIINEプロジェクトの先輩はもちろん、社内の弁護士などの力も借りながら対応していきました。」

安東の着任当時、ミッションは大きく2つあった。

「1つは、資金面。ベンチャーである以上、安定的な売上を立てることが難しく、支出が先行してしまう現状があります。そのため、無駄な支出をしないように日々の資金繰りに目を配ると同時に、新たな挑戦ができるように資金調達先探しをサポートしていました。もう1つは、事業面。当初、ある領域での技術の製品化を想定していたのですが、マーケティングテストの結果等から、事業化の可能性に関して雲行きが怪しくなってきていました。そこで、経営の方向転換が迫られたのですが、私たちと投資先との間で意見が合わなかったため、両者が納得できる事業の方向性を見つけなくてはいけなかったのです。」


技術が世界へと羽ばたくまで、あと少し。

投資家であるIGPI側と、技術の生みの親であり、事業主であるベンチャー企業側。それぞれの思い入れや知識、事業によって得られるインセンティブの違いをすり合わせ、事業の方向性を決めるためには話し合いを積み重ねるしかない。まだ社会人経験もわずかな安東は、小島や、IGPIが誇る幅広い専門領域を持ったプロスタッフたちと共にそれを乗り越えていった。苦労の末、ベンチャー企業との間に得られた合意形成のもと、新たな方向へ舵を切った事業は今、大きな分岐点を迎えていると小島は言う。

「詳しくはまだ公表できませんが、『IoT』という社会的に大きなテーマのボトルネックを解決するような技術によって、世の中のコンピューティングを抜本的に変えるような製品を送り出す準備ができています。」

新しい科学技術という芽を見つけ、ベンチャー企業に資金と人材と知見を投入し、粘り強く育てることで、今ようやく新しいビジネスが花開こうとしている。

「私たちの使命は、新しい科学技術を産業化させ、その成果によって研究者が自由に研究できる組織へと成長させること。技術という種を開花させる、その一番難しいフェーズを担うことに、私たちは価値があると信じています。」


成長の場として、これ以上ない環境。

大学発のベンチャー企業を育てるためには、事業の種である技術はもちろん、法務や労務や財務といった経営スキル、さらには製品化の対象となるマーケットまで、実に幅広い知識が必要となる。そんな横の広がりに加え、新卒1年目の安東にとっては、経営の意思決定者と同じ立場で物事を考える視座の高さも、成長を加速させる要因となっている。但し、このプロジェクトで成長しているのは安東だけではない。経験豊富な小島にとってもIINEは刺激的なプロジェクトだという。

「経営というのは、たくさんの皿を同時に回す仕事です。マーケットを見て営業をしながら、一方で運営に必要な資金を調達し、法務を見て契約を正しく整え、時には海外進出にも備えなくてはいけない。その中でベンチャー企業は、同時にいくつもの問題を抱えやすいため、高度な皿回しの感覚が身につくと感じています。IINEでは、そんなスキルを駆使してベンチャー企業を育てると同時に、成長の道筋ができたタイミングで手放すことも考えなくてはいけません。私にとっても勉強することが多いプロジェクトですが、新卒1年目でこれほど多くのリアルな経営の環境を経験することは、キャリアの大きな財産になるはずです。」

世の中の課題を解決する科学技術を産業化し、その成果によって研究者がさらなる技術開発に没頭できる環境を整える。そのサイクルの繰り返しが、社会の様々なボトルネックを解決していく。そんな未来のために、IINEプロジェクトはこれからも新たな科学技術と向き合い続ける。

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