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ヴィアHD外食企業支援プロジェクト
~構造改革から再成長までのすべてをともに~

梅原 美樹 (写真左)
ディレクター
株式会社ヴィア・ホールディングス社外取締役
東京女子大学文理学部卒
(写真中央) 今井 将和
株式会社 ヴィア・ホールティングス
代表取締役副社長

大きな決断に、待ったなし。

2011年3月11日の東日本大震災は、被災地のみならず日本社会全体に深刻な影響をもたらした。東日本に多数の店舗を有していた外食チェーン企業のヴィア・ホールディングスもまた、大震災によって大きな危機に直面していた。

ヴィア・ホールティングスで取締役兼専務執行役員を務める今井氏は当時の状況をこう語る。

「震災以前、当社グループでは500強の店舗を抱えていましたが、他の外食産業と同様、震災の影響で売上が大きく下がってしまったのです。計画停電や節電の影響もあって都心で1日百万円以上の売上をあげていた店舗でも1日の来客数がたった2~3人という日があることも。特に被害が激しかった東北地方の店舗では、お店を開けることがままならない事態に陥りました。」

外食産業は掛け売りが少ないため、基本的にはお金が回らなくなるということは少ない。ところが未曾有の震災に遭遇し、会社の建て直しが急務となったのだ。依頼を受けたIGPIはすぐに複数名によるチームを組み、プロジェクトに取り掛かった。

「当時は、事業面の構造改革、財務面の改革を同時並行的に実行に移す必要がある状況下にあり、わずか2カ月という短期間で、業態ポートフォリオの見直しや店舗撤退の判断、店舗オペレーション改善策など、連日深夜まで経営陣らと膝詰で話し合いながら、改革プランを一緒につくりあげていきました。」(IGPI:梅原)

店舗損益や人時生産性、投資採算性などを一つずつ丁寧に検証する作業が続く。現状の数値だけを見るのではなく、店舗立地を含めオペレーション次第で改善の余地がある店舗かどうかを見極めるなど将来性も考慮した。

「IGPIさんからは本当に短期間で施策を積み上げた質の高いシミュレーションを提案していただきましたが、その中では、どうしても業績改善が見込めない店舗や業態について、撤退の決断をしなければいけない局面もありました。今改めて振り返ってみても、少なからず思い入れがある中で決断を下すのは我々だけでは非常に困難だったのではないか思います。IGPIの担当チームリーダーであった浜村さんと梅原さんをはじめとしたチームの皆さんは常に冷静でしたね。客観的に緻密に数字や根拠を示し、我々のことも慮った上で、決断を後押ししてくれるような動きをしてくれたからこそ、経営陣を含めた社内全体を納得させ、前に進むことができたんだと思います。」(今井氏)


計画立案し、現場の改善プランまで落とし込むのがIGPI。

IGPIのチームメンバーは、金融機関への交渉など財務施策の実行支援と並行して本業の事業改善の実行支援にも深く入り込んで支援を進めていった。

「ある地域に、直営店舗に比べて高い売上を誇るFC(フランチャイズ)店舗があり、改善のヒントを得るために梅原さんらとレンタカーを借りて店舗を視察したこともありました。業績の良いFC店舗は、店の雰囲気、従業員の姿勢、お店にかけるオーナーの想いなどがお店から良く伝わってくる。一方で残念ながら一部の直営不振店は、店内が雑然としていたり、元気がなかったり。実際に比較してみると、不振店での店舗マネジメントの問題点がよくわかりました。」(今井氏)

早速、優良店のエッセンスを各店に注入する取り組みを開始し、オペレーション効率を上げるための人材配置を考え、店舗をランク別に分け、各店に一段高い人時生産性の目標値意識を持たせるべく仕組みを整えていった。

「他のコンサルティング・ファームは、膨大なレポート資料が出来たらそれで終わりというところもあるとは思いますが、IGPIさんは、計画を立案して終わりではなく、その先も一緒にやっていきましょうという人たちです。計画が実行、結果に結びついているか必ず定期的にレビューをして、やってみて出来なかったところは、どこに原因があったのか、どうすれば軌道にのるのか、を考えてきちんと現場まで落とすところまでとことん一緒にやってくれる。それがIGPIさんならではのところですよね。」(今井氏)

梅原自身もまた、ヴィア・ホールディングスの再生への手応えを感じていた。

「500店舗もある企業なので、我々の立場では全部は回れませんが、ヴィアさんには、我々と一緒になって改善プランを練り上げ『よし、それを現場に落としこんで、何がなんでも結果を出す』という心意気を持ったリーダが複数いらっしゃいました。そういった力強い方々がいて、我々の後押しに全力で応えてくれたからこそ、期待以上の成果に結びついたのではないかと思います。」(梅原)

お互いの信頼感が高まることで、一体となって改善の道筋をつくり実行する。その延長線上で、IGPIは子会社売却なども支援し、結果、ヴィア・ホールディングスは飲食業という主力事業だけに絞った企業へと形を変え、改革の歩みを進めていくことになる。


厳しい時代を乗り越え次なる成長に向けた議論へ。

厳しい時期を乗り越えて、経営を正常化させることができたヴィア・ホールディングス。今井氏、梅原たちは次なる成長に向けた中期経営計画を立案するための議論を重ねた。

「再成長を視野にいれたフェーズでは、M&Aや海外展開の検討、システムを活用した顧客マーケティングの仕組みづくりなど、選択肢はいくらでもあります。いつまでに何をするべきか、意思決定に違った難しさが出てきました。」(梅原)

成長戦略策定に際しては、何を軸に判断していくべきか。検討プロセスの中では、ヴィア・ホールディングス“らしさ”とは何か、今後どういった企業を目指していきたいかを徹底的に議論した、という。

「中長期経営計画を考えるために、経営陣と土日に集まって合宿もしました。それでわかったのは、やっぱり彼らの一番の強さは“人財”であるということ。お客様との距離感、スタッフ同士の関係性、地域とのつながりなど、“人”の力を活かすことが成長のベースとなっているんです。」(梅原)


企業買収から統合プロセスまでの依頼。

東日本大震災から4年が経ち、苦しい時期を乗り越えて、ヴィア・ホールディングスは、新たな企業買収を検討する程までに成長を遂げていた。

「当社は過去からM&Aで大きくなった会社。投資をして店舗をつくり、人を育て、お客様にご満足いただくいわゆる装置産業であり、教育産業でもあります。震災後の経営再建過程では、特に店舗投資をどのような基準で考えるべきなのか、改めて考えるきっかけになりましたね。」(今井氏)

そして2015年に、現経営陣の体制で初となるM&Aを実施するに至る。

「これまでは自社で買収対象企業のマネジメントをしていましたが、買収後、事業の再生にとても苦労した面もありました。この時はじめて買収からその後の経営統合プロセスまでの一連の業務を外部にお願いすることに決めたのですが、我々としては、IGPIの浜村さんと梅原さんに頼みたい、と指名で依頼しました。お二人はそれまでのプロジェクトを通じて当社のことを正しく深く理解してくれていますので、買収や経営統合もIGPIさんに依頼することは非常に合理性が高い。ダメな時はダメと言ってくれますし、こうすれば良くなると助言もしてくれます。だからこそ長く付き合っていけるんです。」(今井氏)

今井氏から声をかけられた時、梅原はとても嬉しかったという。

「企業の変革過程に寄り添って共に歩んでいけること、苦しい時期を一緒に乗り越えてきた皆さんが、次の成長に向かっていくのをお手伝いができることは何よりも嬉しいもので、仕事冥利につきますね。」(梅原)


社外取締役への就任。

5年もの間、共に走り、成長を見続けてきた梅原は、ヴィア・ホールディングスから社外取締役への就任を依頼された。

「当社は、2015年にコーポレートガバナンスポリシーを導入しましたが、多様性をより高めるために、取締役会の構成を社内・外で概ね半分にしたいという考えがありました。社内取締役は会社のことは理解していても、思い入れが強く時に非合理な判断をしたり、合理的に撤退する決断がなかなか出来ないことも、想定されます。一方で、当社の事業をより理解している社外取締役にブレーキを踏んでもらいたいという思惑もあったのです。梅原さんにお願いしたのは、共に5年間支えてくれ、弊社のことをよく理解してくれていたから。これまで2回取締役会を開きましたが、梅原さんの意見は的確、会話の差し込み方などとても上手で、非常に議論が活発になりました。逆に議論が活発になり過ぎて、毎回議事録が大変ですよ(笑)」(今井氏)

「社外取締役へというお話をいただけたことは、信頼関係が築けてきた証なのかなと嬉しく思うと同時に、身の引き締まる思いでした。これからさらに一段違った成長フェーズに入っていく中で、私は、これまでとはまた違った立場から見守り、かつ、長い付き合いだからこそ見えてくることはしっかりと指摘し、後ろからそっと背中を押すような、新たな気付きを促すような、そんな役割を果たしていきたいと思っています。」(梅原)

2016年12月、ヴィア・ホールディングスはJASDAQから東証一部への市場変更を果たし、更なる成長へと歩みを進めている。ひとつの企業との長くて深い付き合いは、これからも続いていく。

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